過熱蒸気常設設備・・・・汎用繋ぎ口
発生装置GE-100からバッチ炉に繋がっている配管は二股になっています。
当然一方はバッチ炉に、残りの一方はフリーの繋ぎ口になっています。
色々な物を繋いできました。
パイプ(5m)を繋いだ単純なテストから始まり、
丸缶に突っ込んだり、くねらせたり。
依頼による特殊持具を製作してのテストに、
直接機器を持ち込んでのテストまで。
大型の箱モノから
中・小の入れ物、
特殊容器にいたるまで、
口一つで様々なテストが可能になります。
何か過熱水蒸気でやりたい事がありましたら、
悩むより先ずお問い合わせ下さい。
あらゆるテストにお答えいたします。
過熱蒸気常設設備・・・・バッチ炉つづき
さて、バッチ炉の続きです。
このバッチ炉、弊社仕様の
高温タイプの過熱水蒸気発生装置を接続してあります。
手軽に短時間で高温過熱水蒸気(630℃)でのテストが出来るので、
とにかく使い倒しています。
色んな物をこれでテストしました。
中には × × × の物もありました。
文句も言わず黙々とミッションをこなしてくれます。
バッチ炉表面のこの有様はその時々の勲章です。
ひつこい様ですが、SUS製です。
炉中は500℃以上のテストを繰り返し行ったので、
流石のステンレスも変色していますが、
外見の様に腐食の形跡は見当たりません。
これは、過熱水蒸気の洗浄(持出)効果の現れでしょうか。
腐食による変色は見られません。
過熱水蒸気常設設備・・・・バッチ炉
コンベア炉に続きまして、
バッチ炉です。
有効炉内寸法:W300㎜×D300㎜×H300㎜、
直下噴射式。
じゃ~ン。
チョットと言うか大分年季が入って変色しています。
これでもSUS製ですが、この十数年無茶な使い方をしてきました。
それと言うのも高温用(MAX630℃、90㎏/h)発生装置に直結させていますので、
当然、バッチ炉内MAX過熱水蒸気温度530℃で流量90㎏/hで加熱処理します。
バッチ炉表面がこんな調子ですから、炉内は更に、
SUS製ですので念のため。
正面奥の真ん中の上側の穴が排気口です。
向って右側面に炉内温度を計測する熱電対が一本。
壁面には無数の穴、何でしょうねェ。
ただの箱では御座いません。内部構造はいろいろと、はい、職人ですから。
但し、過熱水蒸気以外の熱源は一切使っていません。
念のため。
右側に設置された弊社GE-100
熱処理も写真の様に吹き出し口から直接被加熱物に当てて熱処理するか、
吹き出し口直上に衝突板を置いて拡散するかで結果も変わってきます。
バッチ炉内は棚受けがあり、品物によっては2段で熱処理も可能です。
本日はこの辺で失礼します。
あ、そうそう、今年に入りましてレンタルを始めたお話をしましたが、
先週土曜に貸し出しました小型簡易バッチ式試験炉が1ヵ月半ぶりに帰ってきました。
お客様のテスト状況は上々で、申請用データ収集も順調に取れたそうです。
お役に立てて何よりでした。
過熱蒸気常設設備・・・コンベアつづき2
過熱水蒸気テストが立て込み更新する気力が失せておりました。
来週もほぼ埋まりました。(汗)
さて引続き弊社仕様のコンベア試験炉ですが、
過熱水蒸気流量でどの程度の炉内温度になるか目安のお話をいたします。
弊社コンベア炉、内部の容積が長2,000㎜、幅380㎜、高さ440㎜、
前後開口部の寸法が幅が300㎜、高さ170㎜に飽和蒸気を投入後、
電源ONで500℃の過熱水蒸気に再加熱させ測定してます。
先ずは、蒸気流量 60㎏/h(弊社中型発生機GE-60)で始めましたが、
蒸気流量が少なく炉内温度上昇に時間が掛かりましたので、
前後開放部を閉鎖して再度行いました。
電源投入後、10分でコンベア炉内131℃、20分で炉内207℃、30分で炉内244℃、
1時間でコンベア炉内302℃、1時間30分で326℃で動きが鈍くなりましたので、
出入口閉鎖状態でコンベア炉内温度上限326℃となりました。
次に、出入口(寸法:幅300㎜、高170㎜)閉鎖状態を開放状態にしてみました。
開放して5分で238℃まで下がり、
下がるスピードが鈍り下げ止まりが、7分42秒で229℃になりました。
全く同じ条件で、
蒸気流量 100㎏/h(弊社上位機種GE-100)で試してみます。
電源投入後、10分でコンベア炉内204℃、20分で炉内285℃、30分で炉内333℃、
1時間でコンベア炉内390℃、1時間30分で413℃で動きが鈍くなりましたので、
出入口閉鎖状態でコンベア炉内温度上限413℃となりました。
同じく出入口閉鎖状態を開放状態にしてみました。
開放して5分で382℃まで下がり、
下がるスピードが鈍り下げ止まりが、9分34秒で368℃になりました。
たった40㎏/hの流量違いで、温度差が出来るのは当然ですが、
閉鎖状態で温度差87℃、開放状態で温度差153℃、
蒸気流量が多いと一旦上がった炉内温度を維持する力が大きいのです。
つまり、炉内温度の安定に繋がり、均一の熱処理ができます。
過熱水蒸気常設設備・・・コンベアつづき
このコンベア試験炉も弊社製作によるものです。
これに試験時に使用するアミカゴやトレイ類、
100均にはお世話になっております。
これら以外には、こんなのや、
小さいものでチマチマ出来ない時は、
自社のコンベアサイズに合わせた大きなものもチョチョイとつくります。
また、これもそうですが、
過熱水蒸気の雰囲気処理するだけではなく、
持込の被加熱物の特性により過熱水蒸気の当たる距離により反応が変わる場合もあり、
高さを調整できる様な架台であったり、
これなんかは、
直接過熱水蒸気で処理しない蓋付きです。
この間、お米のとあるテストをいたしました。
あっさりと結果が出てしまい、テストデーター分はお客様が持ち帰られ、
余った分はお召し上がり下さいと置いていかれた無洗米6㎏、
全部このSUS製ケースで炊飯しちゃいました。
こんな大量に炊飯したこと無いもので殆ど行き当たりバッタリで、
ド~~ンと6㎏を300℃で30分。
出来たかなぁ~と、不安一杯で蓋を開けると、
見事にふっくら美味しそうに炊けていました。
間接加熱と申しましても、ガタつきの蓋をただ置いてあるだけですので、
直接と間接の炊飯になり、ご覧の通り吹きこぼれなど一切無く、
過熱水蒸気はほぼ均一に加熱しますので失敗の確立が低そうです。
とっても美味しかったですよ。
ほらぁ~。
社員で分け分けして更に余裕でご近所に配れました。
あれ、いつの間にか脱線してます。
失礼いたしました。
過熱蒸気常設設備・・・コンベア試験炉
先ずは、弊社コンベア試験炉の仕様から、
全長5,000㎜の内、
過熱水蒸気による加熱炉の長さが2,000㎜、
前後の開口部の幅が300㎜、高さ170㎜、
その炉内を通過するコンベア部、
幅290㎜の直径6㎜の丸棒が連結されたタイプです。
コンベア炉内部の容積は、幅380㎜、高さ440㎜の中に、
写真の炉内上部に長方形の構造物が横並びに3本ありますこれが、
過熱水蒸気を噴射するノズルになります。
角パイプに千鳥状に穴を開け、炉長2,000㎜に対し、
1,800㎜の長さの物が上下に各3本配置されています。
次に炉内温度を測定する熱電対センサーが炉内中央、
コンベア面から70㎜上にあります。
写真では分かり辛いので拡大してみましょう。
これにより、コンベア炉内温度の目安に使用しています。
コンベア炉奥に鎮座しております制御盤、
これが、コンベア炉用電磁誘導加熱制御盤です。
この制御盤の左に並んだ飽和蒸気流量制御装置の上に、
温度制御盤とコンベア制御盤が大小並べて設置しています。
これで、炉内中心での停止や連続で最短8秒~最長16分、ピッチ運転で時間∞での
コンベアのコントロールが可能です。
また、過熱水蒸気の温度制御のみならず、コンベア炉内温度での制御も可能です。
改めて過熱蒸気 常設設備
永らく脱線してしまいすいません。
本日から弊社常設機器の説明を再開いたします。
え~・・・・・・・・っと、何処までお話しましたっけ。
ちょっとブログをさかのぼってと、
あ、飽和蒸気設備類のお話でした。
では、次にこのボイラーからの飽和蒸気の流れの後は、
コンベア式試験炉とバッチ式試験炉それぞれに繋がっています。
今回は、コンベア式試験炉について説明いたします。
過熱蒸気 チョット脱線・・・・まとめ
長々と綴って参りましたがまとめ、
接触表面積を無視した結果得られた弊社の熱交換器(20KW機)の特長です。
過熱水蒸気の発生量が多い。(定格出力:過熱水蒸気温度500℃、発生量100㎏/h)
設定温度を下げる事で発生量が増大する。(過熱水蒸気温度300℃、発生量200㎏/h等)
流量制御による使用圧力の増加。(検証圧力0.4Mpa)
これらの特長により、従来の過熱水蒸気の利用目的や方法に加え、
新たに今迄では出来なかった広範囲のテストが出来るため、
弊社としましては、飽和蒸気設備にこだわって取り揃えました。
最後に、
低圧の過熱水蒸気の高温化は、熱交換器の材質を選定する事で解決できます。
現状市販品の材質でMAX630℃で90㎏/hの過熱水蒸気を発生させております。
過熱水蒸気の本当の難しいところは、何度の過熱水蒸気をどれだけ発生させるかです。
また、過熱水蒸気本来の特長から発生量が無ければ小さなところでの結果はだせても、
実践の生産では使用できません。
それが出来る弊社の発生装置だからこそ、
お客様により実践に近いテストが出来るように常設設備を充実させております。
チョット脱線からの自社過熱蒸気発生装置の特長2
大量の過熱水蒸気の発生を実現させた弊社の熱交換器ですが、
如何に接触表面積を無視しているかのお話をしたいと思います。
過熱水蒸気発生温度を下げれば発生量を増やす事が出来るのは当たり前ですが、
接触表面積に拘る熱交換器は、
複雑な構造ゆえ抵抗がかかり少量の増加しか望めません。
弊社熱交換器サイズ直径110㎜×長さ270㎜を500℃・100㎏/h(定格)流れるのですが、
過熱水蒸気発生温度を400℃に下げれば、発生量約 150 ㎏/h、(実証済)
更に、過熱水蒸気発生温度を300℃に下げれば、発生量約 200 ㎏/h流せます。
(実績アリ)
発生温度500℃よりも発生流量が必要な時、発生装置の台数を増やさなくても済みます。
また、流量を制御運転すれば定格出力で、
圧力を約0.4Mpa(検証済)に上げて使用することが出来ます。
以上の事が出来ることで従来の過熱水蒸気の利用範囲や使用方法に
選択肢が大幅に増える事になります。
それゆえ、弊社の90%納入実績が工業分野に導入され、
他にはない、様々な新しい利用方法、新応用装置に形を変え
ご活用いただいております。
この様に接触表面積を無視した構造のお陰で、
コンパクトにも拘らず他に真似の出来ない大流量の発生が実現したのです。
チョット脱線からの過熱蒸気発生装置の特長
前回は簡単に書きましたが、
当然、様々な形の熱交換器がスクラップの山となりました。
ただ良かった事は、
弊社が東大阪市で50年以上製缶業を営むモノ作りの会社であった事です。
理論や理屈に囚われず、寧ろ囚われていなかったから出来たのかもしれません。
弊社社長は、お客様から何故出来たのかと尋ねられるとこう答えて、
最後に「偶然です。」や「たまたまです。」と付加えます。
偶然たまたまの産物であります弊社発生装置の熱交換器の特長は、
前述しましたサイズにも拘らず発生量が多いと言うことです。
発生量を表現する時に使用します ○○○㎏/h は、
飽和蒸気の発生量の目安によく使われます。
一時間当たり飽和蒸気になる水の量を示します。
弊社の発生装置の表示発生量はボイラーなどで作られた飽和蒸気の発生量を、
そのまま過熱水蒸気に熱交換しています。
過熱水蒸気500℃で電気出力5KW機で30㎏/h、7KW機で37㎏/h、
10KW機で60㎏/h、15KW機で75㎏/h、20KW機で100㎏/hと、
電気出力に対しての発生量は群を抜いて業界一です。